仕事・学校に行けない

こんな症状に悩んでいませんか?

「仕事に行こうとすると気分が悪くなる」「学校に行かなければいけないのに体が動かない」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。

やらなければならないと分かっているのに、体が言うことを聞いてくれず、気持ちばかりが焦ってしまう状況はとてもつらいものです。

仕事や学校に行けない背景には、ストレスや心理的な原因、身体的な不調などさまざまな要因が関係しています。症状の改善には、まずは十分な休養で心身を休めるとともに、心身の不調の原因を特定し、改善に向けた適切な治療を行う必要があります。

仕事や学校に行けない主な原因

仕事や学校に行けない背景には、環境の変化や人間関係の悩み、心理的な問題、身体的な影響など、さまざまな要因が関係しています。これらの要因は、複雑に絡み合っていることが多く、一つの原因に絞るのは難しいこともあります。

また、背景には適応障害やうつ病などの疾患が隠れている場合もあるため、注意が必要です。

環境的要因

  • 人間関係のトラブル(いじめ、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントなど)
  • 業務や学業のプレッシャー(過重労働、受験、学習の遅れなど)
  • 職場や学校、家庭環境の変化(転職、部署移動、転校、離婚、再婚など)
  • 目的の喪失(目標の達成、不本意な挫折など)

心理的要因

  • 対人関係の不安(上司との関係悪化、友人とのけんかなど)
  • 過度な完璧主義(大きすぎる目標の設定、過度に失敗を恐れるなど)
  • 自己肯定感の低下(仕事上の失敗または挫折など)
  • 過去のつらい出来事によるトラウマ(事故、暴力、自然災害など)

身体的要因

  • 睡眠不足や生活習慣の乱れ
  • 慢性的な疲労や倦怠感
  • 頭痛、めまい、腹痛などの身体の痛み
  • 何らかの病気または障害による身体的な制約

関連する主な疾患

仕事や学校に行けない状態が続く場合、以下のような疾患が関係している可能性があります。

適応障害

何らかの出来事をきっかけに、仕事や学校に行くことに強い抵抗感を抱き、抑うつ、不安、不眠などの症状を生じて仕事や学校に行けなくなる。

うつ病

精神的・身体的なストレスなどが引き金になり、脳の機能バランスが崩れ、活動エネルギーが失われてしまう。気持ちが落ち込み、物事への意欲が低下し、無気力になって仕事や学校に行けなくなる。

不安障害

過度な不安感や緊張が続くことで外出が難しくなり、仕事や学校に行くことが苦痛に感じられる。不安障害には、主に以下のような種類がある。

全般性不安障害(GAD)

日常生活のさまざまな出来事に対し、漠然とした不安感(浮動性不安*1)や心配が半年以上続く。

*1 自分や家族が不幸になるのではないか、大地震が起きるのではないかなど、通常他の人は危険だと感じない状況に強い恐怖を抱くのが特徴。

社交不安障害

他人の目が過度に気になり、人前に出ることや他人との交流に強い不安を感じる。

パニック障害

場所や時間に関係なく、動悸、胸の痛み、息苦しさ、めまい、吐き気などのパニック発作を生じ、「このまま死んでしまうのではないか」という強い恐怖に襲われる。

広場恐怖症

公共交通機関・人混みなど、逃げるのが難しい場所や助けを求めにくい環境に強い恐怖や不安を生じる。

自律神経失調症

生活習慣の乱れやストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れ、頭痛、めまい、動悸、倦怠感、不眠など、さまざまな症状を生じて、仕事や学校に行くのがつらくなる。

睡眠障害

睡眠不足や睡眠の質の低下、昼夜逆転、過眠などにより、日中の眠気や倦怠感、集中力の欠如、イライラを生じると、朝、決まった時間に起きることが難しく、学校や仕事に行けなくなる。

発達障害

生まれつき脳の働き方に特徴があり、物事の捉え方や行動パターンが一般的な人と異なるため、社会生活や日常生活に支障をきたすことがある。自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などの種類があり、職場や学校にうまく適応できず、強いストレスを感じることで出社や登校できなくなる。

自閉スペクトラム症(ASD)

他者とのコミュニケーションが苦手で、こだわりが強く、同じ行動や活動を繰り返すのが特徴。

注意欠如・多動症(ADHD)

集中力が続かず、落ち着きがなく、授業中にじっとしていられない、または衝動的な言動をとってしまうのが特徴。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

事故、暴力、災害、いじめなどの人間関係のトラブル、過去に経験したショッキングな出来事やトラウマ体験などがたびたびフラッシュバックとして現れ、その状況を回避しようとすることで外出が難しくなり、仕事や学校に行けなくなる。

その他の身体的な疾患や障害

何らかの身体的な疾患による痛みや、運動障害による動作の制限などにより、外出することが負担になり、仕事や学校に行くことに苦痛を感じる。

主な治療法

仕事や学校に行けない状態は、以下のような治療で改善できる可能性があります。

当院では、初診時の詳しい問診で患者さんのお話をじっくりと伺い、症状に合わせて最適な治療をご提案いたします。

心理療法(カウンセリング)

患者さんを取り巻く状況を整理し、仕事や学校に行けなくなる心理的な問題を突き止め、解決法を探ります。患者さんの抱えている心理的なストレスを軽減し、ネガティブな思考パターンを変えたり、問題に対する対応策を考えたりすることで、組織の中での適応力を高めていきます。

当院には臨床心理士・公認心理師が在籍しており、患者さん一人ひとりの状態に合わせてカウンセリング・治療を進めてまいります。

カウンセリングの料金など詳細については、以下のページをご覧ください。

薬物療法

患者さんの体調や症状、疾患に合わせた薬剤を用いて体調を整え、体力の回復と復帰を目指します。

  • 抗うつ剤(うつ病またはうつ症状が強い場合。不安やうつ症状を改善する効果がある)
  • 抗不安薬(不安や恐怖を伴う場合。強い不安感を和らげる効果がある)
  • 抗精神病薬(重度の不安症状がある場合。広場恐怖症やPTSDなどの症状を和らげる)
  • 睡眠薬(不眠症状や睡眠の質が低下している場合。睡眠を改善する効果がある)

環境調整のサポート

職場や学校のストレスが強い場合、患者さんを取り巻く環境を調整することで心理的なストレスが軽減され、症状が軽快または消失することがあります。

勤務時間の調整やリモートワークなど、当院では通勤・通学の負担を軽減するアドバイスを行うほか、心身の疲労が著しい場合は、休職・休学のための診断書の発行も行います。

日常生活でできること

上記のようなクリニックで行う治療に加え、日常生活でのセルフケアを取り入れることで、より治療の効果を高めることが可能です。継続して行うことで、ストレス耐性を高めることができ、症状の改善につながります。無理なくできることから始めてみましょう。

生活習慣の見直し

バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活リズムを保ちましょう。

日々健康的な生活を心がけることで、心と体の健康を保ち、ストレスに負けない抵抗力を高めることができます。

カフェインの摂取量に注意する

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、取り過ぎると不安症状を悪化させることが知られています。コーヒーや紅茶の代わりに、ハーブティーなどのノンカフェインのお茶をとるのもおすすめです。

呼吸を整える

深呼吸や瞑想は、不安を軽減し、気持ちをコントロールする効果が期待できます。

ストレッチなどで呼吸にかかわる胸周りの筋肉をほぐした後、ゆっくりと深く息を吐くことで、心が徐々に落ち着き、リラックスできます。

自分にあったストレスの対処法を見つける

入浴、散歩、読書、音楽鑑賞など、一日の中でリラックスできる習慣を作りましょう。

友人と食事をする、ペットと触れ合う、趣味・スポーツなどに没頭するなど、自分なりのストレス対処法を見つけて、こまめに気分転換をすることも大切です。

周囲にサポートを求める

悩みがある時は、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談しましょう。

打ち明けることで心の負担が軽くなり、解決への糸口が見つかることもあります。

家族や友人はもちろん、少し距離がある方が話しやすい場合は、安心して相談できる産業医やスクールカウンセラー、自治体の相談窓口などを利用するのも一つの方法です。

よくある質問

  • 復帰にはどれくらいの時間がかかりますか?

    復帰には個人差があり、数か月で復帰する方もいれば、年単位の時間がかかる方もいます。

    疾患や体調によりますが、治療を続けることで少しずつ回復が期待できます。

    休職や休学の期間は、一生のうちのほんのわずかな時間にすぎません。いきなり大きな一歩を踏み出そうとせず、小さなことから一歩ずつ、焦らずにご自身のペースで復帰を目指しましょう。

  • 職場や学校にはどのように伝えたらよいですか?

    正直に「心の調子を崩している」「体調が優れないため、治療を受けている」と伝えましょう。

    近年、社員のメンタルケアに注力する企業も増え、勤務時間の調整など、柔軟な対応が可能なケースも増えています。また、学生さんの場合も、先生やスクールカウンセラーを通して適切なアドバイスやサポートを受けることができ、オンラインでの授業参加や保健室登校、フリースクールといった措置が認められるケースもあります。

  • 診察の予約は必要ですか?

    当院では、患者さん一人ひとりとじっくり向き合いたいと考えているため、初診・再診とも予約制となっております。予約に空きがあれば当日の受診も可能です。

    受診をご希望の場合は、インターネットやお電話でご予約ください。

  • 未成年ですが、保護者の付き添いは必要ですか?

    当院では、保護者の方の同伴や同意書がなくても受診していただけます。

    日曜日も診療を行っていますので、会社や学校がお休みの日にご来院いただくことも可能です。

  • 仕事に行くのがつらいのですが、会社を休んでもよいですか?

    ストレスの多い現代、誰でも休みが必要な時はあります。

    早めに休養を取ることで、心身の状態が回復することもあるので、つらい時は無理せず休んでください。翌日から元気に出社できるようなら心配ありません。もし、心身の状態が回復せず、何日も連続して休まなければならない場合には、お早めにご相談ください。

院長からのひと言 

仕事や学校に行けなくなることは、誰にでも起こりうることです。

決して心の弱さや甘え、怠け心によるものではなく、無理して頑張って限界を超えてしまい、心と体が悲鳴を上げている状態のため、十分な休養で心と体のエネルギーを回復させてあげることが復帰への最善の道です。

心や体が消耗している時は、冷静な判断が難しくなることがあります。当院では、一人ひとりの患者さんのお気持ちを尊重し、無理なく回復できる方法を一緒に考え、復帰をサポートいたします。

仕事や学校に行けないと感じた時は、どうか一人で悩まずに当院にご相談ください。

診療予約はこちらから

お問い合わせはこちら

鷺沼駅北改札口徒歩1分

MENU
PAGE TOP